都道府県別・市区町村別の空き家数・空き家率 – 平成30年

全体の空き家率ワースト3は、山梨県、和歌山県、長野県でした。ただし、山梨県と長野県は、首都圏住民のメジャーなリゾート地ですから、額面どおりに受け取らないほうがよさそうです。

賃貸用住宅の空き家率ワースト3は大阪府、栃木県、山梨県、売却用住宅の空き家率ワースト3は大阪府、兵庫県、福岡県、その他住宅の空き家率ワースト3は高知県、鹿児島県、和歌山県です。

政令市の大阪市・堺市があるにもかかわらず、大阪府の賃貸用住宅と売却用住宅で空き家率が高いのは、意外に思われる人が多いのではないでしょうか。

一方、用途不明のその他住宅は、大都市圏で空き家率が低く、地方（沖縄県を除く）で空き家率が高いというわかりやすい結果です。それでも、空き家の絶対数は住宅の多い大都市圏のほうが多くなっており、どの地域だからといって軽視できる状況ではありません。

都道府県別空き家数・空き家率(二次的除く)

二次的住宅を除いた都道府県別の空き家率ワースト3は、和歌山県、徳島県、鹿児島県でした。そして、ワースト6までに四国4県が全て入っており、四国の空き家状況は深刻です。

空き家率の低い順では、沖縄県と首都圏が上位を占め、愛知県、宮城県と続きます。その中で、山形県が7位に食い込んでいるのは注目に値するでしょう。

全体の空き家率は二次的住宅に大きく左右され、長野県軽井沢町、栃木県那須町、静岡県熱海市のワースト順でした。

そこで、賃貸用住宅の空き家率をみてみると、ワースト3位まで全て北海道です。ワースト1位の夕張市と2位の三笠市はともに23%台で、3位以下を離していることがわかります。

4位の群馬県大泉町は、外国人の多さで有名な町なので、外国人の出入りが賃貸用住宅の入居率に影響しているのかもしれません。6位の山梨県昭和町は、人口が増え続けているのに賃貸用住宅の空き家率が高い珍しいパターンです。

他には、総じて空き家率の低い東京都内で、国立市11位、豊島区18位と、賃貸用住宅では全国ワースト上位なのが気になります。

市区町村別空き家数・空き家率(二次的除く)

二次的住宅を除いた空き家率では、北海道夕張市が唯一の40%超えでダントツです。しかし、財政再建団体なのでこの結果は仕方がないのでしょう。3位の北海道歌志内市、4位の北海道三笠市は、いずれも賃貸用住宅の空き家率が大きく影響しています。

それに対して、2位の山口県周防大島町は離島、5位の和歌山県串本町、6位の高知県室戸市、7位の高知県土佐清水市には、地形的に突端の自治体という共通点があります。

とはいえ、事の本質は過疎化による空き家増加ですから、地方で利便性の良くない市町村や、大都市のベッドタウンではない市町村がワースト上位になる傾向は同じです。

政令市を区部に分けたからといって、空き家率の順位が大きく変わるものではありません。

浜松市天竜区（53位）、大阪市西成区（91位）、大阪市東住吉区（112位）、大阪市港区（146位）、大阪市住吉区（154位）と、大阪市の区部が比較的ワースト上位に多く入ります。

市区町村別(政令市区別)空き家数・空き家率(二次的除く)

空き家のランキングを紹介しているサイトでは、こちらの数値を使うことが多いようです。

空き家数では、東京都世田谷区、東京都大田区、鹿児島県鹿児島市のワースト順になりますが、住宅数が多いと空き家数も増えますので、空き家数はそれほど重要な指標にならないでしょう。

ただし、空き家数でワースト上位、空き家率が15%を超えている自治体は要チェックです。

大阪府東大阪市（4位、16.27%）、栃木県宇都宮市（5位、16.73%）、大阪府吹田市（7位、18.27%）、岐阜県岐阜市（9位、18.59%）、香川県高松市（11位、16.62%）など、主要な都市でも空き家対策の必要性がデータに表れています。

行政の中心である県庁所在地は、同時に経済の中心であることも多いため二次的住宅の影響は小さいのですが、そのわりには空き家率が高いです。

全体の空き家率ワースト3は、山梨県甲府市、和歌山県和歌山市、岐阜県岐阜市でした。

空き家全体の空き家率で全国平均を上回るのは約50%（24/47）、賃貸住宅の空き家率で全国平均を上回るのが約72%（32/47）もあり、その他住宅の空き家率で全国平均を上回るのは約34%（16/47）と、決して楽観できる数字ではありません。

特に気をつけたいのは、賃貸住宅への投資先において、県庁所在地だから程度の安直な選択では、約7割が全国平均より空き家の多い地域を選んでしまう点でしょうか。

政令市は、さすがに大都市だけあって空き家率が低めです。

空き家全体の空き家率で全国平均を上回るのは、大阪市、北九州市、岡山市、静岡市の4市、賃貸住宅の空き家率で全国平均を上回るのは13市（65%）、その他住宅の空き家率では全国平均を上回る政令市がありませんでした。

その他住宅の空き家率が低いので、改善勧告や除却等の対策が急がれるとまではいえませんが、政令市ほどの人口では住宅数が多く、必然的に空き家予備軍も多いと推測されます。

とりわけ、約270万人が住む大阪市の空き家率17.07%は、人口約380万人の横浜市（9.71%）、人口約230万人の名古屋市（12.71%）と比べて大幅に高い水準であり、ここまで差があると少々理解に苦しむところです。

政令市別（区別）空き家数・空き家率

一見してわかるように、大阪市の区部がワースト上位の大半を占めています。大阪市以外では、森林が9割の浜松市天竜区が1位、京都市東山区が7位、福岡県北九州市八幡東区が10位でした。

地域とは無関係に、接道状況が悪いと空き家になりやすいですが、一般に古い町並みが残るほど接道状況は悪くなります。大阪市や京都市東山区には、歴史的な背景から生じる事情があるのかもしれません。

札幌市の区別空き家数・空き家率

仙台市の区別空き家数・空き家率

さいたま市の区別空き家数・空き家率

千葉市の区別空き家数・空き家率

横浜市の区別空き家数・空き家率

川崎市の区別空き家数・空き家率

相模原市の区別空き家数・空き家率

新潟市の区別空き家数・空き家率

静岡市の区別空き家数・空き家率

浜松市の区別空き家数・空き家率

名古屋市の区別空き家数・空き家率

京都市の区別空き家数・空き家率

大阪市の区別空き家数・空き家率

堺市の区別空き家数・空き家率

神戸市の区別空き家数・空き家率

岡山市の区別空き家数・空き家率

広島市の区別空き家数・空き家率

北九州市の区別空き家数・空き家率

福岡市の区別空き家数・空き家率

熊本市の区別空き家数・空き家率